◇【新刊のお知らせ】SB新書から『下流中年 一億総貧困化の行方』という中高年層の貧困化について取りあげた本を出しました。雨宮処凛さん、萱野稔人さんなど6人での共著です(2016年4月6日)

2012年1月5日木曜日

改めて気象サイエンスカフェのこと。災害と科学と社会の狭間でみつけた問いを追いかけて

2012年最初の気象サイエンスカフェ東京は、1月14日(土)に有明の防災テーマパーク「そなエリア」で行います。テーマは鉄道×防災にしました。国の誇る、超巨大防災拠点(本物)を見ることもできますので、ぜひご参加ください。


2012年1月14日(土)第29回気象サイエンスカフェ東京
鉄道と気象の関わり~鉄道会社における防災の取組み~
(申し込みはウェブサイトからお願いします)
http://meteocafe.blogspot.com/2011/12/114.html


以前のエントリにも書きましたが、鉄道発展の歴史は、災害との闘いの歴史でもあります。

リンク:鉄道地図帳でよみがえる過去の地震・津波の影響の大きさ(2011年10月2日)

ところで、私がサイエンスカフェという場で、科学コミュニケーションに挑戦しはじめたのは、2005年のことです。気象の分野にこだわった気象サイエンスカフェをはじめたのは、その翌年でした。

きっかけは、2004年でした。この年は、台風が前代未聞の10個も上陸しました。実感としては、毎週末、嵐がやってきた感じで、防災情報の伝達がうまくいていないことが、たびたび課題として取り上げられました。その頃の私は、CSやCATVの気象キャスターとして「伝える」側にありました。

「警報や避難を呼びかけても、避難しない人がなぜこんなに沢山いるんだろう」

隣接する県や市で災害が起きていたにもかかわらず、1週間も経たないうちにまた同じような被害が出てしまうことが、とても不思議でなりませんでした。

逃げなければいけない人に、誰が情報を伝えるか、危険であるという感覚をどう理解してもらうか、そもそも一人でも伝わりやすいようにするための工夫は、などと考えているうちに、これは科学・技術情報と社会のコミュニケーションの問題だと思い至りました。マスメディアの仕事ではできない、気象予報士の役目を見つけた瞬間でした。

気象サイエンスカフェは、5年以上続いていますが、いまだに「科学技術の専門家と一般参加者の人たちの距離が近づいた」という実感を積み重ねることができずにいます。それでもここまで続けさせていただいたこと、地域カラー豊かな地方展開が図れていることを、関係者の皆さんに感謝しています。

日本の気象界は、学術分野と技術分野の高い専門性のある人たちの多くが、同時に公務員です。このことが、対話や「新しいフラットな関係性」を呼びかけるうえでの、しばりや心理的な難しさとなっていると感じます。

しかしいま、これまでの取り組みを考え直し、場の質を高めていこうと改めて思っています。気象界特有の空気感も理解しつつ、理念も手法も手探りで取り組んでみようと、仲間を少しずつ増やしているところです。

2011年の福島の原発事故をきっかけに、関係者や専門家と言われる人々と、被災者・国民の間に繰り広げられた、まずいリスクコミュニケーションの数々に、

「着眼点は間違ってなかった」
「本気で科学・技術の課題と社会を結びつけるためにできることをしよう」

という思いを強くしました。震災直後に、サンデー毎日(2011年3月17日号)にも、科学技術情報を専門家でなくても理解できるよう伝える動きが今後は必要とされる、といった趣旨のコメントさせていただきましたが、以来、本当にその気運は高まってきたと感じます。

私だけでなく、色んなジャンルで、STS(Science and Technology in Society)に取り組むみなさんも、きっと同じような気持ちでいるのではないでしょうか。

今年は、私も上手に、色んな人たちを巻き込んで行きたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2012年1月3日火曜日

消費税と秋田犬のゆくえを半端物の切手から考える。

年末の大掃除の時に、思いがけないところから、未使用の切手がたくさん出てきました。62円切手とトンボの柄の9円切手。なつかしーというよりは、うわ、じゃまなものが出てきたなぁという感じ。

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消費税が3%でスタートした頃の、ハガキと定形郵便の税込み価格が、それぞれ、62円と41円でした。60円切手に足す2円切手や、40円切手に足す1円切手を「面倒だな」と思いながら買いに走った記憶があります。

私の手元に残っていた9円という半端な金額の切手は、1994年の郵便料金改定で税込み表示となり、ハガキが50円、定形郵便が80円になったときに出たもの。1997年に消費税率が5%に上がってからも、料金はそのまま据え置かれました。

もとの41円切手が手元にないのはたぶん、2円くらいならたまには損してもと、2枚使いで貼ったからだと思います。でも、62円切手が30枚くらい残っているのに、足して80円にするための18円切手が残ってないのは、どうしてなのでしょうね。自分のことながらもう忘れてしまいました。たしか、てんとう虫の柄でしたよね。

中途半端な金額の切手のしまい場所に困るよ、とフェイスブックでつぶやいたら、「増税でそのうち半端な金額の切手とか出てくるよ」と返してくれた人がいました。

いま、野田総理が「不退転の決意」で消費税増税法案を成立させると言っています。解散総選挙も辞さないとか。

段階的増税の次の消費税率が7%なら、単純に計算すると、80円は82円になり、50円は51円くらいになるのかなぁと思います。2円とか1円とかの切手を、またもや重宝することになるのでしょうか。とくに、10年前に発売中止となった秋田犬の2円切手の復活はどうなのでしょう。まさにホワイト犬のお父さんの出番なのでは。
(お父さんは、北海道犬だという指摘ありましたので、タイトルごと変えました。本文はその辺読み飛ばしてください。12/4)

あの頃の混乱した感じをなんだか思い出してしまいました。とりあえず、郵便局に行ったときに勢いで80円切手のシートを買い込まないように、そろそろ気をつけないといけないなと思ったところです。

2012年1月2日月曜日

2月のCP+で巨匠エリオット・アーウィットのトークショーがあるよ

マグナムフォトの人気写真家エリオット・アーウィット氏が、毎年2月に横浜で開催されている国際的な「総合的カメラ映像ショー」CP+(シーピープラス)で、トークショーをやるみたいです。もう83歳のおじいさまだから、来日自体がなかなかない機会だと思います。興味ある人は早めに申し込んだほうがよさそう。


ジャーナリズム的なものから、コマーシャル、funnyなテイストのスナップショットまで、被写体のセカイをまたいでいても、絵づくりにおいて「らしさ」でつながっていると思う写真ばかり。名前をみなくても、あの人の写真!とピンと来るテイストがどんな場面にも貫かれているって、本当にすごいことです。

CP+ 2012
フォト・ヨコハマ プレゼンツ
エリオット・アーウィット トークショー
2012年2月9日(木)@パシフィコ横浜
要申し込み http://www.cpplus.jp/seminar/
(1/3追記:早くも本日満席になったようです。キャンセル待ちあるのかな?)

エリオット・アーウィット ウェブサイト
http://www.elliotterwitt.com/

(1/10追記)
Photo Exhibision「エリオット アーウィットが見つめたパリ展」が、
銀座のシャネルで、2012年2月3日〜2月29日にあります。
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/2012/erwitt/index.html

2012年1月1日日曜日

いつもは見向きもしないものを撮っていきたい

新年が明けたばかりは家中が片付いているので、家の中がとても新鮮に見えて、撮っておきたくなりました。


普段、見向きもしないでいる身の回りのモノやコトを、ちゃんと撮っておきたいなと、いつも思うんです。

震災の被害を見たからそう意識するようになったというよりも、自分の生きる圏内で移ろいゆくモノを残しておきたいという、本能みたいなものなのかなと思います。今年はおうちスナップを、自分と家族のためにささやかに続けたいなと思います。

実際に、日々、どんなにたくさんの写真撮っていても、お気に入りなのは、家族や自分の生活が映り込んだものなんです。

窓からの光の美しいタイミングとか、壁を照らすライトの濃淡とか、天井のシミとか、手垢とかひび割れとか、塗装のはげた感じとか……自分にとって最もどうってことない被写体。でもきっと、写真に込められるものを、自分が一番よく知っている被写体だと思うんですよね。

こんな風にして、自分の身の回りの所から、写真のことをたくさん考えていきたいなーと思っています。

2011年12月31日土曜日

紅白の事もあるし2011年のシメは、門脇小学校の満開の桜。

紅白歌合戦を見ながらブログを書いています。2011年は、多くの日本人にとってそうであったように、私にとっても特別な1年でした。この先もずっと忘れたくない年です。

今夜は長渕剛さんが、石巻市立門脇小学校の校舎前から歌うということですので、せっかくなので、私が撮った門小定点観測コレクション?のなかから、数枚をアップしておきたいと思い、久しぶりにブログにログインしています。

この9ヵ月、石巻をはじめとする東北の被災地に何度も通い、土地の皆さんの様々な思いを聞く過程で、つながりを感じ、東北が私の中で古里化していきました。

門脇小学校の桜が満開になったのは、4月26日。すべて焼けた付近は命を感じられなく、その日も一斉捜索が行われていました。自衛隊の若い隊員たちが桜に引っかかったゴミに目をとめ、とりはずしていたところを撮った一枚です。


この、門脇小学校は130年を超える歴史がある学校なのですが、学区のほとんどが壊滅地域にあたるため、学校統合(学区消滅)の可能性があります。これからどうなっていくのか、決着が心配です。

2011年11月13日日曜日

グループ展「PREMIUM EXHIBITIONⅡ 知覚の束 -BUNDLE OF PERCEPTIONS-」が始まります

PREMIUM EXHIBITIONⅡ 知覚の束 -BUNDLE OF PERCEPTIONS- by 19 Photographers
2011.11.14 - 11.20 12:00-20:00, Last day 18:00

写真家にとって‘展示’というプロセスは、色んな方に自分の作品と直に対峙していただくとても大切な機会だと思うのですが、気づいたら写真とのおつきあいが深まっていたという私にとって、実は、今回が初めての写真展になります。あーどきどき。

展示する写真は、コフレプロジェクトの向田麻衣さんたちと行った、トルコ・イスタンブルでのコフレトリップ(2010年)の後、撮影したもの。プロジェクトを通じて、ダメな自分もいい自分も色々と見つめられた思い出の旅です。

今回、プリントは写真弘社 さん、専用紙はCanson Infinity(マルマンさん)、額装はSUGA ART さんにお願いしました。

会期直前の無理なお願いにもかかわらず、担当いただいた皆様に、それぞれプロフェッショナルな対応&お仕事をしていただきました。展示初心者の私にとって、尊敬すべきすごい方々とのやりとりができた機会でしたので、また個別にブログに書いていきたいと思います。

みんなの「写真」だけでなく、「展示会」そのものも、今回の作品のひとつです。19人のメンバーが、それぞれの作品に、意見し合って、磨き上げてきました。

PREMIUM EXHIBITIONⅡ 知覚の束 -BUNDLE OF PERCEPTIONS-

[会場]CLASKA 8F "The 8th Gallery"
〒152-0001東京都目黒区中央町1-3-18 CLASKA 8F
(最寄り駅:学芸大学)

[会期]2011年11月14日(月)~11月20日(日)
11:00~20:00 最終日~18:00

[出展者]有海 里美 / 岩本 直子 / 加藤 順子 / 川越 貴恵 /
紀藤 桃子 / jihei / 高井 基行 /高橋 栄男 /
田中 亮 / 中田 カズヒロ / 並木 学 / 萩生田 裕美 /
林 由佳 / HIDE /HORI / 三橋 めぐみ / 森林 由美 /
矢田 晃一 / ヤマシタ ユースケ

Web http://premium-e.sytes.net/index.html
Blog http://premium-e.jugem.jp/

展示の詳細(クラスカのウェブサイト)
http://www.claska.com/news/2011/11/premium_exhibition_bundle_of_p.html

なお、会期前日の11月13(日)18:00~21:00にオープニングパーティーを開催いたします。軽食とお飲み物をご用意してお待ちしておりますので、ぜひお越し下さい。

2011年11月3日木曜日

コシヒカリとコシヒカリBLは美味しさが全然違うんだそうです

冷蔵庫の中が、飯の友の類でいっぱいになりがちな秋です。

この秋に、どうしても確かめたかった味は、新潟県三条市の方からいただいたコシヒカリの新米と大好きなイクラの組み合わせでした。

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イクラは、もちろんおいしい。でも、このコシヒカリは、飯の友がいらなかった……。ごはんだけで味わいたい香りとどっしりとした味。本当においしいものって、素材だけでしあわせにさせてくれる力を持っているんだなぁ。

このコシヒカリを送ってくださったのは、横山さんというおじさま。地域産業である三条の金物を東北地方などに営業をしながら、趣味でお米作りをしている方です。

今年の7月末、新潟・福島豪雨で、まだ避難指示が出たままの五十嵐川流域を、レンタカーで北上しました。(すでに水位も下がり、快晴。もちろん気象予報士として、天気図を確認の上で出掛けました)。堤防が決壊したあたりの現場で、水没した稲の写真を撮っていると、近所の人たちがぞろぞろと河原に様子を見に来ました。そのひとりが横川さんでした。

とても親切な人で、色々と話を聞かせてくださったうえ、「うちの田んぼ無事だったから米おくる」といわれたけれど、おぼえてないだろうなーと思っていました。それが9月のある日、どーんと10kgの新米が我が家に!

「うちの米は世間のとは違うから。いま出回ってるのは『コシヒカリBL』ってやつだけど、うちのは昔ながらの『コシヒカリ』。だから本当においしいよ」

私からのお礼の電話に、横山さんはそう教えてくれました。コシヒカリって、今のと昔のと違いがあるの?そう思って調べてみると、

リンク:新潟県農林水産部
新潟県では、平成17年産米から従来のコシヒカリよりも農薬を減らした栽培ができる「コシヒカリBL」を県内に一斉導入し、環境にやさしく、安全・安心なお米づくりを推進しています。
コシヒカリBLの食味や品質は、従来のコシヒカリと同等です。いもち病に抵抗性を持つ性質だけが異なります。

あら。味は違わないんですって。でも、明らかに品種は別ですよね。なのに名前が同じなのは、オトナの事情なんだろうな。

我が家では、普段の米もコシヒカリ(たぶんBL)なのですが、米の味にうるさい母は、横山さんのコシヒカリを「なにこのお米〜ってくらいおいしいのよ」と言ってます。私も、普段は気にならない米の味が立ってくる感じにビックリしました。

本当のコシヒカリって、作る人だけが味わえる、幻のお米なのかな。

2011年10月3日月曜日

コカリナのニュースで、こげ臭さの中でみた石巻市立門脇小学校の前の被災松を思い出した

20110324石巻市立門脇小学校前のコカリナになった松
撮っているときはほとんど何気なくでしかないのに、後に、ちゃんとした記録だったんだなぁと気づくことがあります。

311東日本大震災で被災したこの松、いまはもうありません。3月24日に、石巻市立門脇小学校の側の西光寺墓地付近で撮影しました。

このとき、すべてが津波になぎ倒された一帯で、焼けて真っ黒な松が、1本だけ空に向かって突き立っていたのを覚えています。学校ごと火災で全焼した付近は、まだ焼け焦げた臭いがきつくただよい、「車から母親の遺体を引き上げに行く」という男性が、焼けた車両で埋め尽くされた校庭に向かって歩いていったのでした。

被災松でつくったコカリナ(笛)を生徒たちが演奏をした、というニュースをみて、あれ? もしかしてあの松のこと? と気がつきました。

河北新報:被災松「コカリナ」復活の音色 石巻・門脇小卒業生ら

…アカマツは同小に隣接する西光寺の墓地内に自生し、樹齢は80年ほどだった。火災で表面の一部は焦げたものの、焼け跡に1本立っていた。…

あのとき、植物の芽吹きなんて感じられないほど焼き尽くされていた、その門脇町から南浜町にかけての一帯も、9月に訪れたときは、津波の爪痕を草がきれいに覆い隠していました。

門脇町5丁目に実家のあった方が、土台だけになった自宅の前で、「ヘドロの上に生える雑草はすごいね、雑草は」とつぶやいました。

2011年10月2日日曜日

鉄道地図帳でよみがえる過去の地震・津波の影響の大きさ

東日本大震災と鉄道をテーマにした特集本は、専門誌からのものを含め、いくつか出ていますが、新潮社から出た「旅」ムック「日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録」は、過去の記録も含めて内容がとてもよかったので、購入しました。


関東大震災で、東海地方から関東地方にかけて被災した鉄道の地図などに加え、津波の高さや地震による山津波(土砂災害)の記録が写真ごと載っています。

ひとつひとつの災害記録としてみる機会は、様々な場面であるのでしょうが、鉄道という線と面の広がりを持った要素で地震の影響や被害の大きさをみるのは、わかりやすくていいなと思いました。とくに、神奈川県、東京都、千葉県への津波・地震の影響を、想像しやすいと思います。

被災した三陸鉄道や仙石線の矢本-松島海岸間、石巻港駅を私も少し歩きましたが、とっても悲しいものですね。

2011年10月1日土曜日

【告知】銀座で、東日本大震災のひきこもりへの影響を探るトークイベントを行います

10月16日(日)に、東日本大震災のひきこもり当事者や家族への影響を探るトークイベントを行うことになりました。

オーガナイザーは、ポプラ社の「ふたたび、ここから」で一緒にお仕事をさせていただいたジャーナリストの池上正樹さんで、私は企画と運営で関わっています。


銀座のアップルストアのすぐ裏にある、文祥堂イベントホールで開催します。
入場料は無料。
あえてスポンサーなどはつけず、ご寄付をお願いして運営費を賄う予定。
なので、赤字が出ないか超ドキドキです。
ちなみに、ニコニコ動画での中継も予定しています。

申し込みは、前日の10/15まで。
http://kokucheese.com/event/index/17491/

2011年9月10日土曜日

8/28(日)開催の3.11震災チャリティイベントの報告

8月28日にポプラ社のホールで行われたねこ女優micさん主催、3.11震災チャリティイベントで、トークショーにて、お話しさせていただきました。

来場者数は約100人。
入場料の一部と、会場でいただいた募金は、合計10万円が寄付金として石巻の社会的弱者の支援団体フェアトレード東北に寄付されました。

リンク:心のままに【311イベント寄付金ご報告】(9/2)
ようやく収支の計算も終わり、
皆様から頂いたチケット代金や寄付金を合わせて
総額【10万円】をNPO法人フェアトレード東北さんに
お渡しさせて頂くことになりました。

私は主催者ではありませんが、開催のためにいくぶんの調整をさせていただきました。平孝酒造の平井孝浩社長、NPO法人フェアトレード東北 阿部拓磨副代表と佐藤さん、ご来場&ご寄付いただきましたみなさま、ステキな会場を無償提供してくださったポプラ社の坂井社長、本当にありがとうございます。

思えば、発災からまだ間もない3月下旬〜4月上旬あたりに、様々な方から、現地の様子を教えて欲しい、現地の支援団体を紹介して欲しいなどと問い合わせを受けました。そのときにつないだのが、micとフェアトレード東北でした。

その後、micはお仕事を続けながら、行動的な私でもビックリするくらいの行動力で、牡鹿半島に何度も出掛けていきました。世の中本当にすごい行動力のある人がいるもんだなぁと、私は密かにじんわりしていたものです。

今回のチャリティイベントのメインの演目のひとつは、そのmicが牡鹿半島の避難所で出会った人々になりきる、 ひとり舞台「カントリーロード 石巻・牡鹿半島」でした。

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ぽろぽろ泣きました。

沖に出て船上迎えた津波のことを、龍に例える漁師さん。津波が全てをさらったなかから、やっとみつけだした思いでの宝石を「必要ならこれを売ればいい」というおばあさん。

牡鹿半島の人たちの揺れる魂がmicに乗り移ったみたいな気がして、舞台バージョンの「ふたたび、ここから」なんじゃないかと思ったくらいでした。micのひとり舞台は、感情の記憶装置といっていいかもしれません。

リンク:ひとり舞台×トークショー:皆様からのコメント(8/29)
すごかった。おじちゃん、おばあちゃん達の生の声、ホントにそのまんまなんだろうなと、
じーんとして切なくて、涙がこぼれて・・・。
今回の震災は私達(社会)の弱い部分を露呈した、という加藤さんの最後のメッセージが響きました。

micさんは色々なところで上演したがっているので、「ここでやってほしい!」という声をいただければお届けします。micを呼ぶことで被災地支援になります。micに託す間接的な方法だけど、舞台をみた方の得るものが、とてもとても大きいと思いますよ。

2011年8月30日火曜日

自由が丘の「ソレイアード」でプロバンスの風をまとって

自由が丘を歩いていたら、
SOULEIADO(ソレイアード)の路面店をせっせと作っているところを発見!

1000000815.JPG南仏プロヴァンスの定番&伝統テキスタイルの店が、自由が丘にオープンなんて、うれしくてつい、写真を撮ってしまいました。

TOMORROWLANDプレゼンツということで、1号店のお隣にあります。

私が見たのは施工中でしたが、8/27からオープンしてるようです。いかなきゃ。

ソレイアードの意味は、「雨の後の雲間から差し込む一筋の光」なんだそう。
光芒とか、天使のはしごのことですね。すてき。

6082426116_efd62f546f_bフィンランドの大胆柄marimekko(マリメッコ)、スウェーデンの手染めプリントJOBS(ジョブスでなくヨブスって読んでね)等々、柄プリントのテキスタイルが大好きなので、この秋は、ソレイアードの生地で仕立てたオシャレで、南フランスの風をまとって、色々なところに出没したいな。

カタログはしばらく保存することに。


◎DIYもソレイアードで



ソレイアードで作る 文化出版局 1365円

ソレイアードで楽しむウエアとパッチワーク小物
―こうの早苗の南仏スタイル (私のカントリー別冊)
主婦と生活社 1500円

2011年8月29日月曜日

オルタナに「ふたたび、ここから」の書評が掲載されました

オルタナ・オンラインにて、石巻のルポ「ふたたび、ここから」の書評&8/28チャリティイベントのリポートを掲載頂きました。

リンク:書評)石巻ルポ『ふたたび、ここから』
余計な装飾を加えることなく1つ1つのエピソードを丁寧に記録した同書で印象に残るのは、大切なものを一度に失いながらも立ち上がろうとする人々の言葉と、そこにみなぎる優しさと強さだ。

ライターの瀬戸内千代さんとカメラマンさんが、チャリティイベントに自費でお越しくださり、平孝酒造の震災復興酒「希望の光」もしっかり味わって、ステキなリポートにしてくださいました。どうもありがとうございます。

2011年8月26日金曜日

グーグルマップとGmailのテーマが天気予報を教えてくれていたのに

きょうの午後からの関東地方の雷雨は、規模が大きかったですね。

練馬で時間雨量89ミリ90.5ミリとか、駅構内が冠水しているとか、
マンホールから水が噴き出してるとか、
あっというまに大雨写真などのまとめサイトなどもできてきて、
TwitterのTLには、雨情報がじゃんじゃん流れていました。

Gmailで使っているテーマ「草原」が、
今日の雷雨を教えてくれてたのに、私は傘を持たずに家を出ました。

ブログを書こうしたときは、すでに普通の雨モードの画面になっていたけど、
雷雨の時は、これが紫色の雲が垂れ込める、
おどろおどろしい雷の画像に変わるんです。

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私自身は、もっと別のソースで予報を知ってなきゃいけないんだけど、
忙しかったりして天気図を見なければ、気象予報士もただの人……。
くやしかったけど、今日はコンビニに駆け込んでビニール傘を買いました。

くぅ。

ところで、8/18から、Googleマップで、天気が表示されるようになったみたいです。
右上の、四角いウィジットのところにカーソルを当てると、
「天気情報」というのが出てきます。

地図の左側には、
現況(気温と天気)と、週間予報がでてますね。
それくらいは世界標準なんでしょう。

3時間予報とか1時間予報とかは、世界的に見ればレアな予報なので、
Googleマップには期待できないのかも。

いま、渋谷駅にいるのですが、なぜか「中央区」。ま、いいか。

2011年8月10日水曜日

ねこ女優micさん主催、8/28(日)震災チャリティイベントのトークショーに出ます


8/28(日)に、「ふたたび、ここから」も関係する、
3.11震災チャリティイベントがありますので、ご案内です。

知人である、ねこ女優micのひとり芝居と、
「ふたたび、ここから」の池上・加藤のトークショーがメインですが、
ついでに出版記念プチパーティも行ってしまおうという、どさくさぶりです。

でも3つの濃いおすすめコンテンツが揃っていて、オトクなうえに、
チケット料金を一部チャリティにまわすにふさわしい、
熱い内容にしたいナーと意気込んでおります。

震災から半年を前に、「これまで」と「これから」を心で受け止め​、
被災地石巻を知っていただく機会にしたいです。


◆イベント概要◆

◇日時:2011年8月28日(日)15:00~17:30(開場は30分​前 )、
               +19時頃までプチパーティ
◇会場:ポプラ社コンベンションホール
    〒160-8565東京都新宿区大京町22-1 HAK​UYOHビル
   (地図)http://www.poplar.co.jp/company/map/index.html

◇イベント出演者:
   ひとり芝居/ねこ女優mic
   トークショー/ジャーナリスト 池上正樹写真家 加藤順子
         「ふたたび、ここから」に登場した熱き石巻人

◇料金:前日までのご予約 4000円、当日料金 4500円
    (~高校生:前・当共に1500円)
    ★尚、会場準備の都合により、当日のキャンセルはお控え下​さい★
    ※頂いたチケット料金の一部を石巻で被災者・弱者支援を行う
     NPOフェアトレ​ード東北に寄付させて頂きます。

◇ご予約・お問い合わせ方法:
    下記のお申し込みフォームからお願いいたします。
    ※以下の方法でも可。
     メール cats[at]kazumic.com ([at] を@に置き換えてください)
     電話  03-3357-2305(担当:木村/(株)ポプラ社一般書編集部)


主催:猫の路地裏ブロードウェイ事務局、協力:ポプラ社


※イベントが終了しましたので、申し込みフォームは削除しました(8/31)

東北の出版人、無明舎のあんばいこうさんの書評が、日本農業新聞の書評欄に掲載されました

東北、秋田の出版人、無明舎出版の安倍甲さんが、
日本農業新聞の書評(7/17)で、
石巻のルポ「ふたたび、ここから」(ポプラ社)を
取り上げてくださっていたと、教えていただきました!

こういう震災本が読みたかった、と。
著者の池上さん、ポプラ社編集者、みんなで大感激しました。

安倍さん、ありがとうございました。




無明舎がウェブサイト上で放つ、諸々のコンテンツも、
楽しくて読み応えあります。
社是は「いばらず、卑屈にならず、ボチボチいこう」だとか。

自分の居場所やふるさとをそんな風に
いいところも、悪いところも愛を込めて語る感じ、
すごーくいいなと思っています。

2011年6月29日水曜日

「ふたたび、ここから」/門脇小学校の子どもたちが校長先生に贈った「卒業証書」の全文

石巻市の「門脇小学校」というキーワードでこちらのブログにたどり着く人がちらほらいらっしゃるみたいなので、
「ふたたび、ここから」では、省略してしまった部分、
“もうひとつの卒業証書”の全文を掲載したいと思います。

R-00973月18日に予定されていた門脇小学校の卒業式は、東日本大震災の混乱により、行うことが出来ませんでした。

3月も終わりかけた頃、浸水・全焼してしまった校舎の校長室の耐火金庫から、燃えもせず、濡れもせず、奇跡的にキレイな状態の卒業証書が出てきました。

門脇小学校では、卒業式を約ひと月遅れで行うことができたのでした。

その日、卒業するのは6年生だけではありませんでした。3月で定年を迎えた鈴木洋子校長にとっても、教師生活からの卒業の日でした。


子どもたちが、鈴木校長に贈った卒業証書の全文と、校長からのお礼のあいさつ
(書き起こしのまま掲載)
(突然のサプライズにより、ボイスレコーダーのスイッチを慌てて入れる)

卒業生代表の髙梨陽介くん:
………れるとうかがいました。校長先生として、ぼくたちは最後の卒業生です。そこで、校長先生への感謝の気持ちを込めて、卒業証書をお渡しすることにしました。校長先生、中央にお願いします。

(保護者席から、すすり泣く声)

卒業証書
校長 鈴木洋子殿
校長先生は、ぼくたちに、大切なことをたくさん教えてくださいました。国語の授業でのペア学習での仕方や心に響く声の出し方を教えていただいたことが特に心に残っています。そしてぼくたちはががんばったときにくださった「マル」や黒板に書いてくださった「スペシャル ヨーコ ハナマル」も、印象に残っています。校長先生は、33年間の長い間で、たくさんの卒業生を見送ってきたことと思いますが、ぼくたちが最後の卒業生となりました。今回の震災で門脇小学校の校舎はなくなってしまいましたが、学んだことを決して忘れずこれからもがんばっていきます。これまで教えていただいたことに感謝の気持ちをこめて卒業証書を贈ります。
平成22年4月15日
平成22年度 門脇小学校 卒業生一同

(大きな拍手)

鈴木校長:
卒業生のみなさん、みなさんと一緒に、先生も教師生活を卒業することになりました。3年間でしたが、門脇小学校でみなさんと一緒に学べて、生活できて、とっても幸せだったな、と思います。最後に、このように素晴らしい卒業証書をいただいて、本当にうれしいです。ありがとう!

(大きな拍手)
(保護者席のすすり泣く声が大きくなる)

髙梨くん:
最後にぼくたちから歌を贈ります。

(仰げば尊し)

校長先生、いままでぼくたちを温かく育ててくださり、ありがとうございました!
(全員で一斉に)ありがとうございました!

(拍手)
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「ふたたび、ここから」にも、<スペシャル ヨーコ ハナマル>をいただきました!

2011年6月27日月曜日

「台風がやってきた」展 in 台湾 でみた、高雄の大規模土砂災害の映像

台湾の高雄に来ています。
「台風がやってきた」in 台湾 の訪問団に参加してます。

日本の各地の科学館でもこれまで展示されてきた、「台風がやってきた」展は、
水、光、気圧、コリオリ力、風、熱などの、台風に関係する現象を、
実演装置を使ってみせるもの。
大人でも「私にもやらせてッ」と言いたくなるほど、けっこうすごい装置群です。

suiteki

降ってくる雨粒を擬似的に見せる装置では、
コンパクトデジカメのマクロモードで、
あんパン型の水滴が簡単に撮れました。

これから、台湾全土3カ所を巡回するそうですが、
スタートは、高雄の台湾国立科学工芸博物館です。

ここ高雄は2009年8月に、山間部の小林村で台風8号による大規模な土砂災害があった所。
山が崩れて、4つの村を飲み込みました。
通訳さんによると、犠牲者500人がいまだに土砂の中だそうです。

「After the Storm」というコーナーで流された映像は、
災害発生直後に、水没し、土砂に埋まった町の中で、
人々が助け合って生きる姿。
あまりにも東日本大震災の光景と重なって見えました。

2011年6月24日金曜日

遠野:看板見つけた。完成がいつなのかわからない人口竜巻発電所

新エネルギーがにわかに注目されるきょうこの頃ですが、
陸前高田に向かう途中の、遠野付近で、
「人口竜巻発電所 建設予定地」の看板を発見。
地球温暖化完全防止って書いてありますよ。これって……。

遠野 人口竜巻発電建設予定地遠野 人口竜巻発電建設予定地

ブログ「鉄道に駅があるように道路にも駅があっていいじゃないか♪」さん
によりますと、
どうやら2006年からずーっと「建設予定」のままのようです。

看板の会社とは違うようなんですが、
同じ岩手県の「人口竜巻発電」というキーワードで出てきたサイトでは、
なんでも、温度差対流の遠心分離式であるもよう。

1番絞り(500℃差)、2番絞り(200℃の温度差)、
という2種類の装置。
……ビールみたいだ。

装置の大きさとか、仕様の概要は不明ですが、
温熱差のエネルギーで、(わざわざ)風を生み出して、
発電機の中は、どうなってるの?
もしかして、最後はタービンって仕掛け??
これって完成してるの?

ナゾだらけです。

発電所、完成するのかなぁ。
新エネルギー戦線参戦のチャンスなんだけどなぁ。


ともかく、トルネード(竜巻)の渦って、
ものを移動させるには、最も効率のよい状態だと思うんですよね。
だから、竜巻は強い、怖い。

トルネードパワーってすごいんですよ。
そういえば、サイクロン式掃除機はなぜトルネード式って命名しなかったんでしょうね。

リンク:YouTube ワオ!化学実験ナビ「おもしろ実験 ペットボトルトルネードを作ろう!

2011年6月21日火曜日

東北地方太平洋沖地震/被災地、東北地方が梅雨入り(6/21)

東北地方も、6/21に梅雨入りしました。

地盤沈下の激しかった地域の浸水だけでなく、
防潮堤や防波堤、堤防が破壊されてしまった沿岸部の、高潮や洪水、
内陸部の土砂災害など、地震の2次被害が心配されます。

また、仙台など、インフラ機能が回復した都市部でも、
地震による配管への影響や、防災設備の機能低下による内水氾濫などは、
今夏の心配事のひとつと言えるのではないでしょうか。


石巻では、以前から、湿度が高くなると魚町から漂ってくる「臭い」が
問題になっていたそうです。

「きょうはとくに臭い。あしたは雨だね」って、みなさんが言うんです。

今は、その臭いが、深刻さを増している。
この梅雨で、どうなってしまうんでしょうか……。


ラジオ石巻のキャスターさんは、
いつも色んな○○指数を読み上げていますが、
臭いと雨や湿度を指数化して放送した方が、
街の人ためになりそうな気がするなーと思う今日この頃です。