◇【新刊のお知らせ】SB新書から『下流中年 一億総貧困化の行方』という中高年層の貧困化について取りあげた本を出しました。雨宮処凛さん、萱野稔人さんなど6人での共著です(2016年4月6日)

2013年2月22日金曜日

ホーム延伸で、東急東横線の中目黒駅に新しい目黒川の花見スポット出現の予感

中目黒駅
東急東横線中目黒駅 渋谷方面ホーム一番前

だって、目黒川の真上までホームが伸びて拡張されてるもん。花見&撮影スポットになりそうでしょ。警備員が出そうなくらい危険な場所ですが。

3月16日の東横線と副都心線の相互運転開始まで、あと3週間を切りました。

古巣のウェザーマップのさくら開花予想2013によると、
今年の桜の開花時期は、『平年並み』の所が多そうです。

東京の開花予想日は3月25日で、満開予想日は4月1日(2月15日時点)。

こちらには、他の地点の予想も詳しく出てます。
http://sakura.weathermap.jp/

2013年2月21日木曜日

2.22 クライストチャーチ地震から2年 保険と建築許可がいまだに下りない生活者の現状

2年前のあす(2011年2月22日)は、ニュージーランド南島のクライストチャーチ地震(=カンタベリー地震)の日です。マグニチュード(M)6.3の地震が市直下で発生し、185人が亡くなりました。

クライストチャーチのローカルラジオ局Plains FMで番組プロデューサー兼パーソナリティを務める晝間尚子さんのブログを見ていたら、カンタベリーテレビ(CTV)ビルの倒壊災害の検証のファイナルレポートが、昨年末の12月に出ていたことを知りました。



■CTVビル倒壊災害の検証ファイナルレポートに他言語訳


CTVビルは、日本から研修生が多く行っていた語学学校が入居していたところで、日本人28人を含む多数の犠牲者を出した現場です。歴史的建造物でもない建物がなぜあんなにひどく崩れたのか、という全壊ぶりだった様子は当時のニュースでもたびたび語られてきました。

CTVビルの災害の検証を行ったのは、英連邦諸国のなかで重大な出来事があった際に立ち上がる王立委員会(Royal Commission, マーク・クーパー委員長)です。

英語の専門用語だらけのレポートが、私にも読めるかしら? と思いながら見に行ってみて、ちょっと驚きました。だって日本語でもレポートの要旨版(結論のVolume6のみ)が出されていたんです。


翻訳が微妙に違うかもしれないから、公的なレポートはあくまでも英語版という断り書きが付いていますが、それでもすごくきちんとした報告書として読ませていただきました。

他にもタイ語、韓国語、韓国語、中国語でも出されています。ご遺族や当事者からの要望もあったのでしょう。


■CTVビルの事故原因は“事なかれ”の積み重ね


レポートでは、CTVビルの設計が行われた1986年にまで遡り、デザインに関わったエンジニアが複層階の建物を設計したことがなかったことや、エンジニアを雇っていた経営者が市当局にかけた圧力、その圧力に屈して市の建築基準に達していないながら認可を出してしまった市担当者の話しなどが、詳細に書かれています。

その後も、1990年にはコンサルが不適合としていたものの設計図が精査されず、2010年9月4日の地震(M7.0)後の外壁目視検査後にはグリーンのステッカーが貼られ、使用制限を設けられることがなかったそうです。

事なかれだったんですね。安全面を危惧する意見もあったし、不適合とまでコンサルで出されていたのに。

報告書を読みながら感じたのは、1年5ヶ月かけて徹底的に原因を究明したぞというメッセージと、その結果を遺族や当事者にきちんと届けるという強い意思でした。

いま、私自身も取材を続けている石巻市の大川小学校の津波災害の検証委員会のことを思ってしまいます。

検証委はスタートしたばかりですが、初回の会合を傍聴した限り、自己保身的な意見が散見されて、どうなることやらと先行きを案じています。肝心のご遺族の気持ちについては、ダイヤモンド・オンラインで書いています。


■保険も建築許可も下りない…あの日から2年の現地の現状


NZのクライストチャーチ地震の話しに戻りますが、晝間さんに直接お話を聞いたところ、現地のこんな現状を話してしてくれました。

震災から2年が経ったいまも、保険で修繕費用をまかなえない人や、住宅を建てられない人が続出しているというのです。

2010年の9.4地震で損壊を受けた家屋のチェックをしてくれるエンジニアがやってくるまでに1年、調査報告が届くまでに1年といった具合なんだそうです。しかもその報告書がまたずさんだったそうで……。

うーん、それは辛いよなぁ。。

当然9.4地震からわずか5ヶ月後の2.22地震で、さらに大打撃を受けているわけで。

原因は、NZでは住宅保険の中にデフォルトで地震保険が含まれているために、膨大な申請量になったことや、建築の耐震基準の審査を厳しくチェックしているために、大幅な遅延が発生していることだそうです。

「でも、クライストチャーチはNZで一番安全な街になるって前向きに捉えている」

という晝間さんの言葉も印象的でした。クライストチャーチの復興の進捗にも目を向けていきたいと思います。



・晝間尚子さんのブログ
「CHRISTCHURCH最高!&NEWZEALAND生活/旅行情報」
最新のクライストチャーチ事情が詳しく掲載されています。
http://jdunz.com/newzealand/

・王立委員会 最終報告書 第6巻 CTVビルディング第9節:
結論と勧告の要旨日本語訳
http://canterbury.royalcommission.govt.nz/Final-Report-Volume-Six-S.9---Japanese

2013年2月20日水曜日

【新刊のお知らせ】『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)

石巻市の大川小学校の名前は、知っている方も多いと思います。

東日本大震災の大津波で、74人もの子どもと10人の教職員たちが死亡・行方不明の惨事があった学校です。

この津波被災事故・事件について取材を続けてきて、2012年の10月下旬に青志社から「あのとき、大川小学校で何が起きたのか」という本を出しました。

東日本大震災発生の午後2時46分から大川小に津波が襲来するまでの51分間のできごとに迫った内容に、「あの日から」の話しをご遺族や教育委員会、地域住民といった関係者に聞き取り、災害エスノグラフィーを追加した構成になっています。

上梓はもう4ヶ月も前のことなのですが、ずっとブログに書く気になりませんでした。いまもこうして書きながら、 色んな気持ちが行ったり来たりしています。 

特に、書いたよと報告することで、もう整理がついた出来事のように誤解されたくないという思いがありました。

本を読んでくださった方々の感想がたまってきたので、下記にまとめてあります。みなさん、内容がヘビーだ、辛すぎると言いながらも、それぞれ深く心に刻んでくださっているようですね。


震災から2年を目前に控えた今月、文科省・県教委主導の検証委員会がようやくスタートしましたが、問題解消の糸口が見えてこない状況は変わらないままです。

それについてはまたダイヤモンド・オンラインの連載のほうで書いていきたいと思います。こちらもよろしくお願いいたします。

大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~(ダイヤモンド・オンライン)

なんだかずっと、亡くなった子どもたちや先生たちに「あなたは大人としてどんな未来を残せるの?」と問われているような気がしているんだよね……。

2013年2月15日金曜日

【レビュー】無敵感を携帯する「ひらくPCバッグ」

ひらくPCバッグ・ブロガーズトートの合同ユーザーイベントに行ってきました。 

ひらくPCバッグ・ブロガーズトート合同ユーザー会
Photo by Norio NAKAYAMA
他の人がひらくPCバッグをどんな風に使っているのか、実際に目で確かめられたのは楽しかったのですが、ひとつすごく驚いたことがありました。 

それは、私以上の荷物の重さの人はいなかったということです。(ちょっとへこんだ)

ひらくPCバッグを購入した人は、ブログに「こ〜んなに入るよ。でも中身ほどの重さは感じないよ〜」ってレビューを書いているじゃないですか。だから、みなさん(特に男性)は、どんなにヘビーユースしているのかと思っていたんです。

ところが、みなさんが入れているアイテム数はそもそも少ないし、きれいな三角の形を保ったままお使いだったんですよ。

それに比べて、私のバッグは、ある方に「バッグが妊娠してるみたい」と言われるほど中身が多くて、若干型くずれ気味です。

かといって特異なモノは入っていないはずなのですが……。Macbook15 13インチとか周辺ケーブルとか取材ノートとか文具とか。確かに、どこでもシゴトの戦闘態勢に入れるよう何もかもいれてるんですけどね。

ブロガーズトート
ところで、昨日、スーパークラシックのプロデューサー兼デザイナーの南和繁さんと話していたときにふと気がついたことがありました。

整理整頓とか、道具を運ぶとか、そういう使用目的の面では、まつゆうさんが作ったブロガーズトートのほうが、ひらくPCバッグよりも共感ポイントが多いんです。

それでも私がなぜひらくPCバッグを使うのかというと、使い始めた時に感じた“無敵感”が理由なんです。

届いたばかりのひらくPCバッグを箱から出して、従来のバッグから荷物を移し替えたとき、「なんでもできる気がする〜!」とうれしくなる感じがありました。スーパーコンシューマーでの制作過程を読んでいた段階からそんな予感はありました。

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ひらくPCバッグは、
温泉のロッカーにも最適化
それは、「初めてカメラを手にした時」や「iPhoneを使い始めた時」に通じる、理屈じゃないわくわくした感覚でした。私はこういう感覚を、人が道具を選ぶ上でとても大切だと思っています。

ひらくPCバッグがそう簡単に生まれない類のバッグだと思う理由を、しばらくもやもやと考えていましたが、ユーザーイベントに行ってなんとなくわかった気がしました。

ひらくPCバッグをひとことで説明すると、「脳内拡張型アイテム」なんだろうなということに、4ヶ月たって気がついたところです。

リンク:2周年で初代のへたり具合をチェック&限定カラーも登場!(2014年12月6日)